一日に千両の生糸、千両の織物、千両の金子が動いた。 江戸時代にはそのにぎやかな様子から『千両ヶ辻』と称された織物のまち、西陣。 その一角の五辻通にある町家が五辻庵です。 五辻庵の玄関を入ると、まっすぐに伸びる通り庭。その先には台所があり、さらに奥は坪庭へと続きます。
五辻庵は奥行きのある「うなぎの寝床」を残した町家。もっとも道路側の部屋は「店の間」。入り口のある「中の間」。そして本来なら家主しか入れない「奥の間」と続きます。 伝統的な京町家のお手本のようなこの五辻庵は、それもそのはずもともとは呉服屋が営まれていた建物。
その呉服屋であった町家が、新しく五辻庵として生まれ変わりました。 宿のお風呂は、高野槇をたっぷりと使ったお風呂。高野槇の香が、身体を芯からゆっくりとほぐしてくれます。 そして奥の間とお風呂からは、自慢の庭を眺めることができます。深く苔むす庭は、それだけで宿の歴史を物語るかのよう。
一風変わった京都の楽しみ方をしていただけるこの五辻庵。 京町家・五辻庵での”暮らす”ような旅をご堪能ください。